戌の日、石油ストーブの匂いに包まれて

戌の日に、安産祈願へ行ってきました。
寒さの残る朝、神社の外陣で石油ストーブに火が入れられました。

儀式とは何の関係もない、その何気ない一瞬が、なぜか私の心に強く残っています。

儀式よりも心に残った一コマ

外陣に置かれた石油ストーブが、ボッと小さな音を立てて点火しました。
灯油の匂いが、ゆっくりと広がります。

祝詞が始まる前の、ほんの短い時間。
誰もそこに特別な意味は見出していなかったと思います。

でも私にとって、その匂いは特別でした。

祖父の家の匂い

石油ストーブの香りは、今は亡き祖父の家の匂いでした。

冬になると、祖父の家ではいつも石油ストーブがついていました。
あの独特の灯油の匂いと、じんわりとした温かさ。

小さい頃は何も考えず、その空間の中にいました。
安心とか愛情とか、そんな言葉も知らずに。

でもあの日、安産祈願の場でその匂いを嗅いだとき、
祖父の存在がふっと近くに感じられたんですよね。

世代交代の流れの中で

祖父から父へ。
父から私へ。
そして私から、これから生まれてくる我が子へ。

普段は意識しませんけど、
時間は確実に進み、世代交代は静かに起きてます。

その流れの中で、祖父の人生は幕を閉じました。

そして今、また新しい世代交代が起ころうとしています。

命を願う儀式の中で、
あの匂いが、私を包み込んだんです。

「大丈夫だ」と言われた気がした

まるで祖父が、
「大丈夫だぞ」と語りかけてくれているみたいでした。

世代交代は怖いことじゃない。
受け継がれていくものなんだ。

そう言われた気がして、私は少しだけ安心したんですよね。

自分の人生を、落ち着いて進めていける気がしました。

おじいちゃん、ありがとう。

香りがくれた安心

安産祈願そのものも、もちろん大切な時間でした。
でも私にとっては、石油ストーブの匂いがすべてを象徴していました。

命を願う場所で、
過去と現在と未来が、ひとつにつながった気がしたんです。

世代は変わっていく。
けど、何かは確かに受け継がれてる。

そんなことを、あの香りが教えてくれた気がしました。

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