僕たちは、まだ“再開”を決めていない。 ― それでも話し合った、これからの歩幅のこと ―
医師から「生理で間違いないですね」と言われた帰り道、
私たちは自然と、これからの話をし始めました。
「妊活、もう再開してもいいんだろうね」
「でも、まだ心の準備が……」
再開のタイミングは、誰かが決めてくれるものじゃない。
夫婦それぞれの体と心に向き合いながら、
“ふたりで”進めていくものなんだと、あらためて感じました。
この記事では、妊活再開前の対話や、
その中で大切にしたいと思った“ふたりの歩幅”について書いています。
妊活再開前に話してよかったこと
再開の時期についてどう考えたか
私たちの中で、出産費用無料化が大きなテーマでした。
ポケモンGOをしていたとき、ふと妻が投げかけたんです。
職場の先輩と話して無償化について聞いたそう。
職場の先輩は無償化前に出産だけど私たちは妊娠時期によって、ギリギリ無償化前になるのかも?って。
こういう情報をすべて一人で調べて得られるワケではないですから、周囲からの情報提供はありがたいですね。
しかし年齢のこともあるので、出来る限り早くほしいなっていうのは共通していました。
再開時期について話すことで共通認識を作れたのはよかったと思います。
せっかくの機会だし2人の時間を楽しみたい派とできる限り早くほしい派と分断してしまったら、片方はモヤモヤが溜まるでしょうしね。
意思確認と統一(私たちは幸い、意思は同じでしたが)ができて良かったです。
身体の準備と心の準備、どちらも大事だった
流産をしてから、身体の準備はもちろんですが、心の準備もしてきました。
避妊をしてのセックスやお互い一緒にすごした時間などで、よい準備ができたように思います。
この期間にしてきた心の準備は、これからの私たちに多大な作用があると信じています。
結果がどうであれ
どちらも大事だったと書きましたが、心の準備もできたことは本当によかったです。
「次はこうしていこう」と決めたこと
次の妊活は心の距離を縮めていこうと決めています。
セックスレス以前のときより、今は段違いに妻を信じられるし好きです。
その状態を作れたのは、”心の距離”を縮められたからだと思います。
喧嘩もしたしお互いに寂しい夜を過ごしたこともあります。
けどそういったことがある度に、夫婦ふたりで前を向いてやってきました。
だから今うまくいっているんだと思います。
これからは何かあったときに、今までのことを自信に、意図的に”心の距離”をグッと縮めていこうと思います。
夫婦の歩幅をそろえるということ
「焦らないこと」を共有できた
もうずっとずっと前。
妊活を始めたころは、お互いにすごく焦っていました。
けどなんとなくお互いのそれを感じつつも、明確に共有できずにいました。
しかし喧嘩やレス、流産を経ての生活の中で「焦らないこと」を共有できたように思います。
これは妊活だけでなく、私たちの人生ですごく大きなことだったと思います。
日常会話の中に出てきた希望の言葉
生理かわからなかったときに、「第一歩だね」って言葉がすごく嬉しかったり
普段の何気ない、仕事を労わってくれた言葉がありがたかったり
とくに変わりのない日常で一緒に笑いあうのが楽しかったり
「第一歩だね」の言葉は明確に希望をもてたひとことだったと思います。
しかしそれ以外にも、日常に散りばめられたたくさんの言葉のひとつひとつで、希望をなんとなくもっていったんだと思います。
夫婦ふたりの関係がうまくできているからこそ、希望がもてる言葉がたくさん出てきたんだと思います。
というよりは、「何気ないたがいの言葉に”なんとなく”ふたりが感じあって、希望をもっていった」の方が正しい気がしてきました。
あらためて「妊活はふたりで進めるもの」だと思えた日
いろいろ思い出してみたり書いてみたりしたら、やっぱり
あらためて妊活はふたりで進めるものだなって思えました。
「”第一歩だね”は明確に希望をもてた一言だった」と、先ほど述べました。
しかしこの言葉だって、気持ちが揃っておらず、たとえば私が妻に対して不穏な状態であったならば
「生理かもわからないのにそんなこと言って浮かれて。そういうのは病院行ってからにして」なんて冷めた気持ちになっていたかもしれません。
ふたりが気持ちを共有して足並みを揃えておくことの大切さを痛感しました。
ひとりの思いだけでは、難しいんだなって。
これからもふたりで歩んでいこうと思います。
“今”は歩き出す前の、ふたりだけの静かな準備時間。
妊活の再開に向けて、“決断”よりも先に必要だったのは、ふたりの気持ちの共有でした。
「再開しよう」と決めることだけが前進じゃない。
「まだ焦らなくていいよね」と言い合えることも、かけがえのない前進です。
この記事が、誰かの再開前の“対話のきっかけ”になればうれしいです。