顕微鏡で見た“動かない精子”。結果を待ちながら揺れる気持ち

※この記事は8月下旬、結果待ちのときに書いたものです

二度目の精液検査を受けました。
顕微鏡を覗いたとき、ほとんど動いていない精子が見えました。
その光景はショックでした。

けれど、それはあくまでその場の目視。
正確な数値はまだ専門機関から返ってきていません。
結果を待ちながら、私の気持ちは揺れています。

顕微鏡で見た“現実”

二度目の検査、見えたのは動かない精子

二度目の精液検査のために、泌尿器科に行って精子の提出をしました。
その際に、その医院の医師と一緒に顕微鏡で精子の状態の簡単な観察を行いました。

(※提出先の医院は不妊治療専門クリニックではありません。そのため、簡易的なチェックになっています。この後、精子が専門機関に送付され詳細な検査が行われます。)

顕微鏡で観察した精子は、写真と勘違いしてしまうほど、動いていませんでした。

📌 その後に出た検査結果

(※この記事は8月下旬、結果待ちの時に書いた心境です。その後、9月に正式な結果が返ってきました。)

顕微鏡を覗いたときは「写真かと思うほど全然動いていない」と言われ、前回の12%よりさらに悪いと覚悟していました。

しかし、専門機関から返ってきた正式な検査結果は――運動率80%

予想もしなかった数字に、妻と一緒に大きく揺れました。

この経験から「顕微鏡の簡易的な目視より、専門機関の正確なデータを信じるべきこと」「運動率は体調や環境で大きく変動すること」を学びました。

ショックを受けた8月の夜と、安堵した9月の朝。気持ちはジェットコースターのようでしたが、妊活は数字ではなく、夫婦でどう受け止めて歩んでいくかだと改めて実感しました。

👉 検査直後の心境は、note記事にも残しています。
精子の運動率という壁を前にして──それでも信じたい“ふたりの未来”

正確な数値や結果は専門機関からの返送後になるため分かりませんが、そんなものは見なくても分かるほどに動いている量が少なかったです。

一度目の検査のときも同じ医院に提出しています。
そのため顕微鏡での観察をしているはずですが、そのときのことは全然覚えていません。

けれど今回の顕微鏡での観察した状態は絶対に忘れないと思うほど、衝撃的でした。
「私の妊活はもうダメなんだな」と一人勝手に思い込んで、意気消沈していました。

そしてその前回の検査結果も精子の運動率が12%と平均と比べると大幅に低く、決して良いものではありませんでした。

その低い数値を遥かに凌ぐ低さがわかる、目の前の現実。

数字ではなく「目に映る事実」に感じた衝撃

正確な検査結果を見たら、意外と前回の数値とあまり変わりないのかもしれません。
ですが、顕微鏡越しの”目の前に映る現実”のインパクトが強すぎました。

あの現実を見せつけられた後に、もし医師に”安心しても大丈夫”と言われたとしても、私にはその言葉を信じることができません。

診察後はひどく疲れてしまって、病院のベンチで少し休みました。
帰りは行きより多く時間がかかってしまい、別の道に見えました。

この事実、現実の受け止め方が、私には分かりませんでした。

前回の検査結果は運動率こそ低かったものの目立った問題はありませんでした。
その結果が最低ラインで、今回の状態はそれより良いものだと勝手に思い込んでいました。

そのため、”妻の安心材料になれば”なんて、自分だけ安全な位置から物を見て検査をしに行きました。

だけどその結果の動いていない精子。
妻を安心させるどころか、”ふたりの不安材料”にしかなっていません。

私は妻に、施す側であるような傲慢な考え方でいたこと、このような結果であったことを申し訳なく思いました。

それでも結果はまだ出ていない

泌尿器科から専門機関に送られる流れ

私が精液検査で精子を提出した医院は、不妊治療専門のクリニックではなく、街によくある泌尿器科です。
その医院から専門検査機関に送り、精密検査後に返送されてくるという流れです。その後、受け取りをします。

そのため、私が提出してから結果を受け取り正確な情報が分かるまで、1週間ほどのタイムラグがあります。

(※その医院の医師は不妊専門医ではないため、もしこの結果に問題があった場合、不妊専門外来に行くように促されます。)

1週間という期間は通常そこまで長く感じませんが、この結果待ちの1週間はとても長く感じました。

悪い結果を覚悟しながらも、宙ぶらりんの時間

不妊専門医ではないにしても、検査を請け負っていて同じように顕微鏡で数多の精子の状態を見てきた医師。
その医師が「あまり動いていないように見える」と言いました。

素人が見て「なんとなく動いてないように見える」と発言するのとは、確度が違うと思います。

何にしても、悪い結果であることは顕微鏡の”写真のような映像”を見たときから、かなり覚悟しています。
ですが衝撃による思い込みと私の気質で悪い方向に考えすぎているだけ、という可能性も拭えません。

“正確な数値による検査結果”

これが出るまでは、たしかなことは何も分かりませんし、考える意味も本当はありません。

その日は精液提出のあとに妻の通院があったため、私の今日あった出来事を妻の方のクリニックの医師に伝えてもらいました。
妻の通うクリニックは産婦人科であり、私の検査医院より得られる情報の確度が高いと思ったためです。

妻と医師の言葉に救われる

「陽性の経験があるなら気にしなくていい」という一言

妻の方のクリニックの医師に、私の現状を伝えてもらいました。

そしたら「陽性の経験があるなら、精子の運動率はさほど気にしなくてもいい」との一言をいただいたそうです。

「陽性判定が出たことがあるということは、精子が卵子に届いたことがあるのだから精子の運動率はあくまで目安でそこまで気にしなくてもいい。それに精子の運動率は、生活習慣やその日の状態に変わる。」

妻から聞いたのは、ざっくりとこのような話でした。
この話に私は救われました。

顕微鏡の現実を突きつけられたときは、死刑宣告を受けたような気持でしたので。

妊活はこういった結果のひとつひとつに一喜一憂して、感情がジェットコースターになりがちですね。
まだスタートラインに立っただけなのに。

ショックと安心が同居する気持ち

妻が医師から聞いてきてくれた話より心が救われたとは言え、ショックや不安が完全に消失したワケではありません。

現時点で正確な検査結果が分かったワケではないですし、運動率は気にしなくてもいいとは言え”低い方がいい”ということは間違いなくないでしょうし。

ショックが強くひどく落ち込んでいたため、妻の言葉に救われ落ち着きは取り戻せました。
しかしよく考えたら、振り出しに戻っただけなんです。いや、運動率が低いことを考えたら、振り出しより少し前でしょうか。

どちらも今日一日にあった出来事です。
なので、感情がジェットコースターで、ものの数時間でショックや不安を拭うこともできません。
今はショックと安心が心の中に同居していて、モヤモヤしています。
婦人科医に言われてもなお、手放しで喜べない自分がいます。

夫として、数字よりも妻を安心させたい

夫として今できることは、婦人科医の言葉を信じて落ち着いた姿を見せて”妻を安心させる”ことなのかなと思います。

妊活は結果に一喜一憂して感情がジェットコースターになって、だんだん気が滅入って常に鬱屈な状態になりがちな気がします。
それに加えて、女性側である妻は薬の影響などでホルモンバランスも変わって、身体や精神の状態も変わります。

夫して”妻が安心できる状態や環境を作ること”は、妊活で男性ができる数少ないことだと思います。

結果に一喜一憂したとしても、数字なんかに振り回されたとしても、自分を律してちゃんと落ち着きを取り戻し目の前の妻のことをしっかりと考えることに力を注ぐべきだ。

まだまだ感情が揺れてはしまい、夫としては弱いです。
ですが妻のために、腰を据えてゆっくりと、強くなっていこうと思います。

「数字だけじゃなく、夫婦でどう受け止めるか」

顕微鏡で見た光景は正直ショックでした。
それでも、まだ正式な結果は返ってきていません。
そして妻や医師の「大丈夫」という言葉に、私は少し救われています。

妊活は、数字やデータに振り回されがちです。
でも本当に大切なのは、夫婦でどう受け止めて、どう一緒に前に進むか。
結果を待ちながら、そう強く思っています。

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