母子手帳をもらった。
制度や給付の説明を受け、
妊娠出産に関する資料をたくさん渡された。
パパママクラスの案内もあった。
妊娠から出産までが、
一気に「現実」として迫ってきた感覚があった。
妻の体や精神は、日々変化している。
それを横で見ながら、
これまでとは違う時間に入ったことを実感していた。
母子手帳をもらえるのは、嬉しいはずだった。
でも、どこか心に引っかかるものがあった。
妻を
「ひとりの女性」ではなく
「命を宿した母体」として
強く意識するようになった。
同時に、
男性として、夫として、父親として、
自分の中の役割意識も一気に強まった。
ただ、
役割が自分を作る、とは思っていない。
役割は、あくまで背中を押すものだ。
そこに期待しすぎてはいけない、とも思っている。
母子手帳を手にしたとき、
前回の陽性と流産のことを思い出した。
2㎜ちゃんは、
心拍確認に至らず、母子手帳をもらえなかった。
母子手帳をもらえなかった、という事実が、
今回の陽性の子は「子ども」で、
2㎜ちゃんは「子ではなかった」と
区別されているような気がして、
少し寂しかった。
2㎜ちゃんは子ではない、
と区別しているみたいな感覚。
でも、
2㎜ちゃんは、間違いなく
私たちふたりの子どもだった。
初めて陽性が出たときの喜び。
役割が自分を作ることを、
初めて実感させてくれた存在だった。
そこから、私は大きく前に進んだ。
これから出産する妻のために、
なにかしなきゃ、と
立ち上がらせてくれたのも2㎜ちゃんだった。
最初の記録は、
こんなに綺麗な文章じゃなかった。
とにかく妊活情報を調べて、
書き写しただけの記録。
そこから、少しずつ変わっていった。
それが、今の私を作っている。
そうしてくれたのは、
他の誰でもない、2㎜ちゃんだ。
あのときの学びや進みがあったから、
いまは、あかねの温度感に
より合わせていこうと思えている。
2㎜ちゃん、ありがとう。
母子手帳をもらって、
ふたりで、また少し前に進むよ。
見ていてほしい。
妻は、日々不安の中にいて、
身体も精神も変わっていく。
自分が変わらないで、どうするんだ。
愚痴をこぼしてはいられない。
環境が変わったから、
なんとなく変わっていく、じゃない。
環境が変わった。
だから、自分も変わる。
積極的に、能動的に。
妻はもう、
ひとりの女性ではなく、
命をかかえた母体なんだ。
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