“妊娠したかも”と思った日々と、生理が来た夜の話
妊娠を望んでいる。でもそれが「当たり前」じゃない日々が続いている。
だからこそ、「あれ?」と思う小さな兆しに、つい心が揺れてしまう。
今回も、ほんの少しの体調変化と、静かな期待があった。
だけど、生理が来た。
それだけのことなのに、こんなに気持ちが動くなんて。
改めて、妊活って“心の旅”なんだなと思った――。
h2-1:兆候かもしれない? その数日間の揺れ
h3-1:ほんの少しの体調の変化に気づいたとき
妻が神妙な表情をして、「いつもと違う気がする。」と言ってきた。
詳しく話を聞いてみると、どうやら前回陽性判定が出たときと似たような状態だそうだ。
僕も気になって妻の様子をさらに詳しく聞いて、調べてみることにしました。
すると、陽性の可能性があるとの記事がどんどん出てきました。
今にして思えば、病気と同じでそれっぽい症状を検索すれば「可能性アリ、受診を勧めます」と出てくるのは当たり前と分かります。
ですが、この時はもう気になって気になって仕方がありませんでした。
h3-2:期待しないつもりだったけど
「まだ時期的にはわからないし」と自分を落ち着かせていました。
けどどこかでやっぱり「もしかして…」と思っていた自分もいました。
“期待しないつもりだった”
こんな言葉は、本当に期待していなかったら出てこないんですよね。そもそも。
期待していないフリをしていた、の方が正確な気がします。
子どもがほしいから妊活するし、そのためにスケジュールも調整するし妊活日は体力も考えて行動する。
いろいろして、期待してないは嘘ですよね。
正直に言うと、とても期待していました。
とはいえ手術明けの妊活再開1回目なので、そこまで悲しい感じこそありませんでしたけど。
ですがその夜は少しだけ、静かだった気がします。
h2-2:生理が来た瞬間、気づいていた気持ち
h3-1:兆しはあった。けど、ちゃんと落ち込んでた
妊娠初期かもしれないと思った妻の体調の変化も少し落ち着いてきて、でも生理が来てないから期待していました。
「やっぱり違うのかな」と、なんとなく察したりもしました。でも。
そして生理が来たことで、陰性確定。
実際に確定すると、”分かっていたつもり”でも気持ちが沈みました。
自己採点の結果が芳しくなかった受験生のような気分。
受験番号を握りしめて、合格発表を見に行く。
受験番号があるはずないってどこかで思っていたから、”いざ見てみたらなくて安心”みたいな変な気分。
妻はわりと落ち着いていました。話してみても、そこまで落ち込んでいない様子。
こういうときに妻は強い。
逆に自分の方が落ち込んでいました。
まぁ立ち直れないほど落ち込んだわけでもないので、落ち込むのが悪いとも思わないですけどね。
これからどうなっていくんだろう。
h3-2:また次がある。だけど、空っぽな感じもあった
手術明けの妊活再開の1回目ということもあり、気持ちはすぐに切り替えることができました。
今回は排卵誘発剤も服用していないですし、過去には服用後に陽性反応が出たこともありますし。
それが気持ちの支えになっています。
気持ちは切り替わったけれど、なぜかそのとき飲んだ麦茶が沁みたんですよね。
本当は言い聞かせてるだけで、思い込んでるだけで、切り替わってないのかな。
今まで味わったことのない、空っぽな感じ。
流れてしまったときとも違う、別の。
そんな気持ちを誰にも言えないまま、ふたりで「次」を見つめています。
切り替わらなくても、次に向かうしかないんです。
h2-3:妊活って、「期待」と「やっぱり違った」を行き来する
h3-1:再開後の1周期目だったからこそ
排卵誘発剤は使わず、自然なタイミングでの妊活となりました。
排卵誘発剤を使わないということは、妊活初期の病院に通う前の状態。
陽性は難しいんだろうな、と思いつつも久々の妊活ということもあって「ちょっと期待したい気持ち」もあったんです。
というかそもそも期待せずに妊活をするって、無理な気がするんですよね。
期待の程度の差はあれど。
そんな感じで期待して、前回陽性が出たときと似たような”兆候っぽいもの”が。
心が躍る。いやでも、まさか。
結局、結果は陰性でした。
期待通りにはいきませんでしたけれど、まだ再開一回目、と自分自身を鼓舞しています。
まだ次やその次だってあります。
けれど、ちょっとやっぱり怖いところもあって。
h3-2:これからもきっと、この繰り返しなんだと思う
「次があるよね」と言いながら、それでも心が揺れます。
いや次はあるんです。その次も、そのまた次も。
その”次”が訪れる度に、僕たち夫婦は一喜一憂をして心を擦り減らしていくのかな、と思うと少し怖いですね。
再開一回目というのもあり、精神的に消耗しきっているワケではありませんけど、やっぱり怖い。
これからもきっと、この繰り返しなんだと思います。
心が揺れて、落胆して、次に進むために前を向いて。
どこまで進めるかは分かりませんが、今は、その”次”が来るたびに、夫婦で少しずつ前に進んでいけたらいいと思っています。
次の機会は温泉旅行と重なりそうなので、楽しみにしています。
ちょうど重なったらいいな。
今日もまた、ふたりで暮らしてる。だから大丈夫だと思えた夜
今回のことは、“妊娠したかもしれない”という確証のない数日間でした。
検査もしなかったし、体調の変化も大したものじゃなかった。
でも、ちゃんと心は揺れてたんです。静かに期待して、そっと落胆して。
それでもまた、「次があるね」って言い合えるふたりでよかったと思います。
きっとこれからも、こんな日々を繰り返していくんだろう。
でもそのたびに、ふたりで過ごす時間が、すこしだけ強く、優しくなっていく気がしています。